原稿に大量の赤字を入れられたときの心の内を描写する③
……という脳内会議を経て修正原稿を提出し、A さんと何度かやりとりをしてこの件は事なきを得ました。
ちょっと補足をすると、「それがまっとうな内容であっても否定されたくない」とか「否定してきた人を否定したい」という感情が沸き起こること自体を否定する必要はなくて、むしろ「わたしってそういうところあるんだな〜」と気づいて受け入れることが大切だと思うんですよね。
でも、それと「どういう行動を取るか」は全く別の話。感情のままに行動したら望まぬ結果が起きて、それによってストレスがかかったり、さらに自分を正当化するために相手を悪者にしてどんどん自分が信じられなくなって……というループにハマってしまうかもしれない。それよりは、「感情と相談しながら、どう行動するかを考える」ほうが、ずっと自分を大事にすることにつながると思う。
このことがあってから、編集者からの赤字に「むむ……」と感じたときは、次のような指針をもとに行動するようになりました。
・「自分のプライドを守るために相手からの指摘を否定しようとしていないか」
に注意しながら、「赤字を反映することで、原稿はより良くなるか」を第一に考える。
・「良くなる」と思うなら反映し、「良くならない」と思ったときは、編集者に率直に自分の意見を伝える。その際、相手の編集スキルを批判したいのではなく、原稿を良いものにしたいのだということが伝わるようにこころがける。
・その際、相手が「編集者に口ごたえするなんて生意気」と考えるような編集者なら、今後つき合っていてもいいことはないので取引を見直す。
これは私の指針であって、人によっては「言葉遣いがキツい編集者や配慮がない編集者とは絶対につき合わない」とか、「仕事が来なくなるのが怖いから編集者には絶対に逆らわない」という指針を持つかもしれないし、その結果に自分で責任を持つならアリだと思う。
何にせよ、こういった自分なりの指針を持つと余計なところでエネルギーを消耗しなくなって仕事そのものに集中できるからいいよね、というお話でした。
どんな仕事でもこういうことはあります。
ここまでちゃんと自分の心(感情)に向き合ったことはなかったな
いい気づきになりました。ありがとう。