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ちはるが生まれてから、「子どもというものは全身に愛をいっぱい蓄えていて、歩く度に溢れてこぼれて、大人は目で追わずにはいられないのだ」と思うようになりました。

でも、「パパも、ママも、じいちゃんも、ばあちゃんも……」という言葉は、実は義兄(ちはるのパパ)が毎晩ちはるに伝えている言葉が元になっているそうです。

その光景を想像したら、言葉がおまじないのようにちはるに染み込んでいくように思えました。大きくなって記憶はなくなっても、決して消えることなく心の奥に灯りつづけるおまじない。ちはるは言葉をまねしながら、ちゃんとそこに込められた想いも汲み取って、周囲に注いでいく。

なんだか童話のようですね。

「まほうのコップに水を注いだら、尽きることなく水が湧き出る泉になりました」

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