人間関係におけるトラブルの大半は、無意識の内に働く過剰な防衛機制や不合理な思考によって自ら招いていたのかもしれない。ということに6歳児とのやりとりから気づいた話
「どうしてほしいのか、ちゃんといわないとつたわらないよ」。
1年生のみうちゃんが、突然泣き出してしまった。たれ目がちな瞳から、白桃のような頬に大粒の涙がぽろぽろとこぼれる。私が児童館でボラバイトをしていたときのこと。

当時私は大学生で、「子どもに関わる仕事に就くのもいいかなぁ」という漠然とした考えから、近所の児童館に通っていました。ボランティアではないけど、バイトと言えるほどの給料は出ない、それがボラバイト。子どもたちを見守りながら遊ぶだけの気楽な仕事でした。
「いつもの先生とは違う、若いお姉さん」というものは、それだけで子どもたちの興味を引くようです。みんな人見知りせず物怖じせず寄ってきてくれて、すぐ仲良くなりました。その中でも1番「先生、先生」と慕ってきてくれていたのがみうちゃん。そのみうちゃんが、こちらを見ながら無言で泣いています。

子どもたちは優しい子ばかりで、すぐにみうちゃんの周りに集まってきました。みうちゃんどうしたの? どこかいたいの? かなしいことがあったの? どうして泣いてるの? みうちゃんは何も言わずに首を振るばかりで、みんな困った顔をしています。

私はそのときみうちゃんと同い年のみどりちゃんと遊んでいたので、(もしかしてヤキモチかな……? いや自惚れが過ぎるかな……)と右往左往して、「おなかが空いているのかな? おなかが空くと人はかなしい気持ちになるものね……」などと慰めていました。
すると、それまで黙っていたみどりちゃんが、みうちゃんにきっぱりとした口調で言いました。

子どもは、時折ハッとするほど鋭い言葉を発する生き物です。
ひっく、ひっくと肩を揺らしていたみうちゃんは一瞬動きを止めてみどりちゃんを見て、そのまま部屋から走り去ってしまいました。追いかけようとすると、「先生、ほっといたほうがいいよ」とみどりちゃん。

と訝しみつつ、私の頭の中では先ほどのみどりちゃんの言葉がリフレインしていました。私に向かって発せられた言葉のように感じたのです。

それまでの20年の中で、私は友人との関係において「寂しい」と感じたとき、「拗ねる」というアクションを選んできました。
たとえば、同じグループの友人同士が昨日カラオケに行った話で盛り上がっていたとき。

たとえば、部活やサークルのみんなで遊びに行こうという話が出たとき。

…………。
いままで客観的に自分の言動を省みることがなかったけれど、よくよく考えてみると…………。

どんな心理が働いているのか自分で分析すると、
①周囲に対して「120%の好意」を期待してしまっていて、
70%位の好意を向けられても50%分不満に感じてしまう
②そして、「自分は120%を求めているのに70%しか向けられていない」という事実を惨めに感じて、50%分相手から離れること、嫌いになることでバランスを取ろうとしてしまう
③結果、相手に「仲良くしたい」という気持ちは伝わらず、または伝わっているけどめんどくさいなと思われ、良好な関係が築けない
ということなんじゃないかな、と思いました。
……………。






だとしたら、
そうした自分の無意識化にあるものを意識することで、
→自分に振り回されることがなくなる
→求める結果に対して適切なアプローチが取れるようになる
→人間関係のトラブルが減る、希望や目標が叶いやすくなる

そんな風に私が精神世界を彷徨い死と再生を迎えひとつの仮説を立てている間に、現実世界では1時間ほど経っていたようです。みうちゃんが一皮剥けたようにつるりとした晴れやかな笑顔で駆け寄ってきました。


可愛わわわわわわわ………!!!!!
「どうしてほしいのか」ちゃんと自分の気持ちと向き合って素直に伝えることは、意外と難しいけど、とても大切なこと。そうみどりちゃんとみうちゃんから教わったので、私も見習おうと思ったよ。

別ベクトルの面倒くさい人にシフトしただけの気がするけど自分の気持ちを率直に伝えるとスッキリするし迂闊につっこめない面倒な人よりつっこみやすい面倒な人のほうが面倒レベルは下な気がするのでオッケーオッケーオールオッケーーーー!!
(2019/6/29追記:算数が間違っていたので中盤に出てくる数字を40%から50%に修正しました……120-70=40じゃなくて50ですね……計算能力が6歳児……)
続き↓
はじめまして
ア〇ウェイの勧誘の話を読んでいたと思っていたら、この記事まで一気に読んでしまいました。
“周囲からの120%の好意を期待するあまり、70%位の好意を向けられても50%分不満に感じてしまう
そして「自分は120%を求めているのに70%しか向けられていない」という事実を惨めに感じて、50%分相手から離れること、嫌いになることでバランスを取ろうとしてしまう”
今まで同じ内容の事を色々な人から、色々な表現で言われてきましたが、一番自分にしっくり来た言葉でした。
自分自身で面倒くさい人間だと分かっているのに、どうすればいいのか分からない…図解のイラストの「おろかなヒューマン」が誰よりも私自身だと感じました。
今30をこえた年齢の私はみうちゃんのようにストレートに言うことは出来ないかもしれませんが、国語の成績だけは少し良かった事を思い出して、頑張って大人の言い回しをしていこうと思います。
この記事に出会うことが出来て良かった!
頭の中でぐるぐるしていてうまく言葉に出来ない思いを文字に起こされたような、心に優しくしみる文章でした。
この記事を書いてくださってありがとうございました。